脂質異常症(高脂血症)とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が多すぎたり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なくなる病気です。
この病気は全く自覚症状がないため放置されることが多く、健康診断などで血液検査を行わない限り、気が付くことがありません。 しかし現代社会において、食生活の欧米化に伴い、確実に高脂血症の患者数は増加しています。
脂質異常症(高脂血症)を放っておくと、血管の動脈硬化が少しずつ進んでいき、やがて心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気が引き起こされることになります。
血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多過ぎると、動脈の壁にくっついて動脈が厚く狭くなります(動脈硬化)。善玉のHDLコレステロールは、悪玉コレステロールを抑える作用を持つため、善玉のHDLコレステロールが少ないのも同様に問題となります。中性脂肪の増加自体は、動脈硬化に直接つながるものではありません。 しかし、中性脂肪には、善玉HDLコレステロールを減らす作用があるため、その結果、悪玉LDLコレステロールが増えてしまい、間接的に動脈硬化を進行させてしまう原因となります。
動脈硬化とは、全身に血液を送る血管(動脈)にコレステロールがたまって、
内腔が狭くなった状態。
血中のコレステロール値や中性脂肪値を、血液検査で測定します。
高LDLコレステロール血症 140mg/dℓ以上
低HDLコレステロール血症 40mg/dℓ未満
高トリグリセライド血症(中性脂肪) 150mg/dℓ以上
脂質異常症の治療の目的は、動脈硬化による病気(心筋梗塞や脳卒中)を予防することです。
治療は、食事療法と運動療法から始めます。
食事療法と運動療法を行っても治療目標値に届かない時には、お薬による治療も考慮します。